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公正証書遺言が残されたか検索可能 ~遺言の謄本も入手~

 身内の方がお亡くなりになった後、相続手続きを始めようとしても、

その方が遺言を残したかどうかが、まったくわからないため、

はたして公正証書遺言があるのか、気掛かりになることも起こります。


 そのようなときは、公証役場に検索を依頼することができます。

 公正証書遺言は、自筆の遺言とは違い、遺言をする人から依頼を受けて、

公証人が作成するため、公証役場に作成した記録が残るわけです。


 日本公証人連合会においては、遺言情報管理システムが構築されており、

平成元年以降に作成された公正証書遺言について、情報が一元的に管理されています。

 これを使うと、全国のどこの公証役場でも、

遺言の作成年月日・証書番号・遺言者の氏名・生年月日・作成した公証役場・公証人名を

検索することができます。


 検索を請求できる人は、秘密保持の観点から、

遺言者が生存している間は、遺言者本人に限られます。

 遺言者が亡くなった後は、相続人、受遺者(遺言で遺産を受け取る人)や

遺言執行者といった利害関係人なら、検索を請求できます。

 どちらの場合も、代理人に頼んで手続きをすることもできますが、

遺言者の生存中、その了承なしに家族が請求することはできません。


 請求先は、全国のどこの公証役場でも可能ですが、

相続人が手続きを取る場合、次の書類を持って行く必要があります。

・ 遺言者の死亡がわかる戸籍謄本(または除籍謄本)など

・ 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本など

本人確認資料(例:マイナンバーカード+認印、印鑑証明書と実印)

 代理人による請求では、請求者の委任状と印鑑証明書も必要になります。

 手続きの費用は、無料です。


 なお、公正証書遺言の保存期間は実務上、遺言者の死亡後50年、

証書作成後140年または遺言者の生後170年間と取り扱われています。

 昭和の時代に作成された公正証書遺言については、

作成がなされた公証役場に対して、調査を依頼することになります。



 検索の結果、亡くなった方がどこの公証役場で公正証書遺言を残したかわかれば、

次は、その遺言の内容を確かめる段取りになります。 

 どこどこの公証役場に行って遺言を作成したと、生前に本人から話を聞いたのに、

遺言書が保管されていない場合にも、遺言の内容を確かめる必要が出てきます。


 これは、公正証書遺言の謄本を請求することで対応します。

 謄本には原本と同じ内容が記載されるので、遺言の内容を確認できます。

 こちらの請求先は、作成をした公証役場に限られてしまい、

全国どこでもというわけにはいきません。


 謄本を請求できるのは、検索の場合と同じく、遺言者の生存中は本人のみ、

死亡後は相続人などの利害関係者です。代理人に頼むこともできます。

 必要書類も、検索の場合と同じになります。

 費用は、公正証書の枚数×250円です。

 また、現在は、郵送によって請求することも可能です。


 なお、原本の閲覧の請求もできますが、各種の相続手続きに利用することを考えると、

すぐに謄本を請求しても構わないでしょう。



 さて、遺言には自筆で作成されるものも、多くあります。

 遺言者本人が保管していた場合には、役所で検索しても出てくるはずもありませんが、

令和2年7月に始まった自筆証書遺言の保管制度を利用した場合、

法務局に対して相続人などの関係者が手続きを取って、調べることができます。


 遺言が保管されたかを調べるには、「遺言書保管事実証明書」の交付を請求し、

遺言の内容を確かめるには、「遺言書情報証明書」の交付を請求します。

 こうした手続きについて、このブログで紹介した記事もございます。→ リンク


 公正証書遺言の場合と比較すると、代理人になれる人が限定されます。

 また、「遺言書情報証明書」の交付請求では、全国の法務局で対応できますが、

遺言者の出生から死亡まで連続した戸籍謄本を始め、相続関係を示す戸籍謄本の一式と、

相続人全員の住所を示す書類が必要になります。

 さらに、遺言書情報証明書の交付があると、法務局が自動的に他の相続人に対して、

自筆の遺言書が法務局に保管されていることを通知します。


 今後、自筆証書遺言の保管制度を利用した方が増えてくるので、

亡くなった方が遺言を残したかどうかが、まったくわからない場合には、

公正証書遺言の検索と自筆証書遺言の保管事実証明の両方が必要になると考えます。

 また、自筆証書遺言を作っても法務局に保管していないこともあるため、

自宅などをくまなく探すことに加え、

行政書士など法律の専門家へ生前に遺言書を預けたか、確認を取るべきでしょう。


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